文化的景観/鉱山/戦争 の世界遺産
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端的に言うと文化遺産と自然遺産の境界に位置する遺産と言える。「自然と人間の共同作業」という語に要約される通り自然環境によって制約と影響を受けることで育まれた文化や景観を指すが、大きく以下の3種に大別される。
①意匠された景観:庭園・公園・宗教空間など、人間によって意図的に設計され想像された景観
②有機的に進化する景観:自然環境に対応して形成された景観。さらに「残存する景観」と「継続する景観」に分けられる
③関連する景観:自然がその地の民に大きく影響を与えることにより、宗教的・芸術的・文学的な要素と強く関連した景観
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チレント・ディアノ渓谷国立公園及び遺跡群と修道院
イタリア中南部、ナポリ南東約120kmのチレント・ディアノ渓谷国立公園は入り組んだ海岸線や風光明媚な渓谷を擁する広大な公園である。 また、パエストゥムと、ヴェリアの二つの古代都市遺跡も保全されている。
登録国 イタリア 登録年 1998年 分類 文化遺産 登録基準 (iii) , (iv) -
カディーシャ渓谷(聖なる谷)と神のスギの森(ホルシュ・アルツ・エル-ラーブ)
レバノン北部に位置するレバノン山脈のカディーシャ渓谷は、初期キリスト教の修行地の一つである。 近くにはレバノン杉数少ない群生地があり、古代の宗教的建造物の建材として用いられていた他、同国の国旗にも描かれているほど象徴的な木である。
登録国 レバノン 登録年 1998年 分類 文化遺産 登録基準 (iii) , (iv) -
ハルシュタット-ダッハシュタイン・ザルツカンマーグートの文化的景観
オーストリア中部ザルツカンマーグート地方の風光明媚なハルシュタット湖とダッハシュタイン山の生み出す文化的景観。 古来よりこの地では岩塩の採掘が行われてきた。その営みは先史時代にまで遡り、青銅器時代の遺物などが発見されており、一連の遺跡の文化はこの地の名称に因みハルシュタット文化と名付けられている。 中世、この岩塩鉱が神聖ローマ帝国により国有...
登録国 オーストリア 登録年 1997年 分類 文化遺産 登録基準 (iii) , (iv) -
トゥルカナ湖国立公園群
ケニア北部のトゥルカナ湖に位置するシビロイ国立公園、セントラル・アイランド国立湖園、サウス・アイランド国立公園の3つの公園群。 この湖には多様な野鳥が生活しており、またナイルワニの繁殖地であり、哺乳類化石の産地でもある。 2018年の第42回世界遺産委員会で危機遺産リストに記載された。
登録国 ケニア 登録年 1997年 分類 自然遺産 登録基準 (viii) , (x) -
ポルトヴェネーレ、チンクエ・テッレと小島群(パルマリア島、ティーノ島、ティネット島)
イタリア半島北西部、リグリア海沿岸部の港や集落。 「ヴィーナスの港」の意味をもつポルトヴェネーレ一帯では、カラフルな住宅の立つ集落や港の絶景などにおいて見事な文化的景観が認められた。 12世紀、高台に造営されたサン・ロレンツォ聖堂がこの美しい景観を見守る様に建っている。
登録国 イタリア 登録年 1997年 分類 文化遺産 登録基準 (ii) , (iv) , (v) -
サンギラン初期人類遺跡
インドネシア、ジャワ島中部サンギラン遺跡は、19世紀末にオランダ人医師ユージン・デュボアがホモ・エレクトゥス・エレクトゥス(ジャワ原人)の化石を発見した場所である。 180万年前から10万年前までの地層から多く人類化石がみつかっており、他にもメガントロプスといった種も出土している。
登録国 インドネシア 登録年 1996年 分類 文化遺産 登録基準 (iii) , (vi) -
レドニツェ-ヴァルティツェの文化的景観
17~20世紀の間にリヒテンシュタイン公爵家により形成された、ヨーロッパ最大の人工景観であり、「文化的景観」として認められている。 レドニツェ城・ヴァルチツェ城の二つの城が、19世紀になって当主ヨハン・ヨーゼフ1世が作らせたイギリス式庭園と見事に調和している。
登録国 チェコ 登録年 1996年 分類 文化遺産 登録基準 (i) , (ii) , (iv) -
シントラの文化的景観
リスボンに隣接する、「エデンの園」と謳われた古都シントラ。 12世紀にイスラーム勢力からアフォンソ1世がリスボンを奪還したことによってこの地もキリスト教の街となった。 周囲の山を含め一帯の城や宮殿が登録対象となっており、建物はとてもユニークなものがみられる。この地の庭園などは欧州の景観設計に大きな影響を与えたとされており、文化的景観として認められた。
登録国 ポルトガル 登録年 1995年 分類 文化遺産 登録基準 (ii) , (iv) , (v) -
フィリピン・コルディリェーラの棚田群
フィリピン・ルソン島北部の山岳地帯に広がっているイフガオ族の作り出した棚田群。 約2000年前から棚田での農法が行われていたと言われており、棚田としては世界最大規模である。 その自然と人間の営みが文化的景観として認められた。
登録国 フィリピン 登録年 1995年 分類 文化遺産 登録基準 (iii) , (iv) , (v) -
メッセルの 化石採掘場
ドイツ・ヘッセン州に位置する採掘場「メッセル・ピット」からはおよそ5300万~3700万年前の始新世の生態系を示す多数の化石が出土している。 特に哺乳類の進化初期の段階の手がかりとなる全身骨格や胃の内容物までが見つかっているが、乾燥に弱いこの地の地層では出土物の多くが失われてしまった。
登録国 ドイツ 登録年 1995年 分類 自然遺産 登録基準 (viii) -
カールズバッド洞窟群国立公園
ニューメキシコ州南東部にある国立公園。 ペルム紀の化石礁のあるカールズバッド洞窟をはじめとして、確認されただけでも80以上の洞窟が存在する。 とりわけ レチュグラ洞窟は、世界5位の長さを誇り、鍾乳石が織りなす形の豊富さ、多様性、美しさの面で際立っている。
登録国 アメリカ合衆国 登録年 1995年 分類 自然遺産 登録基準 (vii) , (viii) -
クトナー・ホラ:聖バルボラ教会とセドレツの聖母マリア大聖堂のある歴史都市
チェコ中部に位置する、かつてのボヘミア王国第2の中世都市クトナー・ホラ。 13世紀に発見された銀鉱山の採掘で発展した。14世紀には記念碑的建造物が多く造られ、後期ゴシック様式の聖バルボラ教会は建築家ジョン・パーラーの設計で14世紀末から160年の年月をかけて完成した。郊外のセドレツ地区には、13世紀にゴシック様式で作られたものの18世紀初期にバロック様式に修復された聖...
登録国 チェコ 登録年 1995年 分類 文化遺産 登録基準 (ii) , (iv) -
オーストラリアの哺乳類化石地域(リヴァーズレー/ナラコーアテ)
オーストラリア大陸の南と北に位置する、哺乳類の化石が発掘された二つの地区。 クイーンズランド州・リバーズレーでは2500万~500万年前の化石が発見された。 一方南オーストラリア州のナラコーアテでは20万~1万8000年前の化石が発見された。特に洞窟内で見つかったティラコレオ(フクロライオン)の化石が有名である。
登録国 オーストラリア 登録年 1994年 分類 自然遺産 登録基準 (viii) , (ix)