文化的景観/キリスト教/仏教 の世界遺産
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端的に言うと文化遺産と自然遺産の境界に位置する遺産と言える。「自然と人間の共同作業」という語に要約される通り自然環境によって制約と影響を受けることで育まれた文化や景観を指すが、大きく以下の3種に大別される。
①意匠された景観:庭園・公園・宗教空間など、人間によって意図的に設計され想像された景観
②有機的に進化する景観:自然環境に対応して形成された景観。さらに「残存する景観」と「継続する景観」に分けられる
③関連する景観:自然がその地の民に大きく影響を与えることにより、宗教的・芸術的・文学的な要素と強く関連した景観
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フィリピン・コルディリェーラの棚田群
フィリピン・ルソン島北部の山岳地帯に広がっているイフガオ族の作り出した棚田群。 約2000年前から棚田での農法が行われていたと言われており、棚田としては世界最大規模である。 その自然と人間の営みが文化的景観として認められた。
登録国 フィリピン 登録年 1995年 分類 文化遺産 登録基準 (iii) , (iv) , (v) -
アヴィニョン歴史地区:法王庁宮殿、司教関連建造物群及びアヴィニョン橋
フランス南東部、ローヌ川の東岸にある都市アヴィニヨン。 14世紀にフランス国王フィリップ4世が教皇クレメンス5世に圧力をかけこの地に教皇庁を移転させた(アヴィニョン捕囚)。以後数十年間はこの地が教皇庁所在地であった。 教皇宮殿はゴシック様式で築かれた他、ロマネスク様式のノートルダム教会、民謡で有名となったサン・ベネゼ橋などを残す。
登録国 フランス 登録年 1995年 分類 文化遺産 登録基準 (i) , (ii) , (iv) -
シントラの文化的景観
リスボンに隣接する、「エデンの園」と謳われた古都シントラ。 12世紀にイスラーム勢力からアフォンソ1世がリスボンを奪還したことによってこの地もキリスト教の街となった。 周囲の山を含め一帯の城や宮殿が登録対象となっており、建物はとてもユニークなものがみられる。この地の庭園などは欧州の景観設計に大きな影響を与えたとされており、文化的景観として認められた。
登録国 ポルトガル 登録年 1995年 分類 文化遺産 登録基準 (ii) , (iv) , (v) -
八萬大蔵経の納められた伽倻山海印寺
韓国南部、慶尚南道に位置する。 802年に創建されたが焼失と改築を繰り返した。モンゴル軍侵攻を克服せんと願が掛けられた数満点以上の高麗大蔵経板(国宝)は仏教の聖典が書かれた木板で1237~1248年に作られた。大蔵経板としては最も完全な形で残っているとされる。 建物は校倉造りで建てられている。
登録国 大韓民国 登録年 1995年 分類 文化遺産 登録基準 (iv) , (vi) -
ラサのポタラ宮歴史地区
チベット自治区ラサ市、チベット仏教の聖地とされるこの地に建立された寺院・宮殿。 「神の地」の意味を持つラサは、ソンツェン・ガンポ王が初めてチベットを統一し遷都したことから始まる。この場所でインドと中国の仏教文化を取り入れて発展した。 一度滅びたチベットだったが、ダライ・ラマが再度統一し紅山(マルポリ)にポタラ宮を築いた。その後中国に併合され...
登録国 中国 登録年 1994年 分類 文化遺産 登録基準 (i) , (iv) , (vi) -
コローメンスコエの昇天教会
コローメンスコエはモスクワ南の、河岸の高台にある、現在はモスクワに併合されている地区である。 昇天教会(ヴォズネセーニエ教会)は1532年にヴァシリー3世がのちの初代ロシア皇帝・イワン雷帝の誕生を祝して建てた教会。石造と木造の折衷した仕上がりになっており、鐘楼部分は木造ながら風雪に耐えられるよう三角形のピラミッド型をしている。釘を使用していないことから「世界の...
登録国 ロシア 登録年 1994年 分類 文化遺産 登録基準 (ii) -
ペタヤヴェシの古い教会
首都ヘルシンキの北、ペタヤヴェシにある1763~65年に建築されたプロテスタントの一派ルター会の木造教会。 建材には松が使われ、スカンジナビア半島東部の独特な伝統的建築様式で作られている。 19世紀の改築により、校倉造りの外壁と寄棟造りの屋根になった。ほぼ当時のまま保存されている。
登録国 フィンランド 登録年 1994年 分類 文化遺産 登録基準 (iv) -
ポポカテペトル山腹の16世紀初頭の修道院群
メキシコの中央部に位置する、メキシコ富士とも呼ばれるポポカテペトル山腹に建設された修道院群。 植民地時代にスペイン人がキリスト教を伝道するためにフランシスコ会、ドミニコ会、アウグスティノ会の各派によって建てられた複数の修道院が登録対象となっている。 修道士達は、現地の住民が屋外で宗教儀式を行っていた習慣を踏まえキリスト教儀式を屋外で行えるようにパティオ構...
登録国 メキシコ 登録年 1994年 分類 文化遺産 登録基準 (ii) , (iv) -
イェリング墳墓群、ルーン文字石碑群と教会
デンマーク王国の発祥地であるイェリングにある墳墓と石碑及び教会の文化遺産。ユトランド半島の東部に位置する本遺産は、10世紀頃に成立したデンマーク王権とキリスト教の普及を示している。 古代ゲルマン文字であるルーン文字が刻まれた石には、ハーラル青歯王によるデンマーク・ノルウェーの征服とキリスト教への改宗が記されている。 異教の文化である墳墓と、キリスト教...
登録国 デンマーク 登録年 1994年 分類 文化遺産 登録基準 (iii) -
ゼレナー・ホラのネポムークの聖ヨハネ巡礼教会
チェコ共和国、プラハ南東のボヘミア地方とモラビア地方の境界付近に位置する。 1393年に殉教したプラハ大司教代理の聖ヤン・ネポムツキーゆかりのベネディクト会カトリック教会で、建築家ヤン・ブラジェイ・サンティーニにより、18世紀初めに建設された。 聖ヤンが没した年齢53歳にちなみ(空に5つの星が瞬いたこと、三位一体から5と3を取ったという説も)、教会の...
登録国 チェコ 登録年 1994年 分類 文化遺産 登録基準 (iv) -
サンティアゴ・デ・コンポステーラの巡礼路:カミーノ・フランセスとスペイン北部の巡礼路群
スペイン西部の聖ヤコブにゆかりのある聖地であるサンティアゴ・デ・コンポステーラへ巡礼するための道と途中の街などが複合的に登録された遺産であり、いわゆる「道の遺産」である。 エルサレム、ローマと並んでキリスト教徒の最も重要な巡礼地のひとつであるサンティアゴ・デ・コンポステーラへはフランス人が多く巡礼したことから「カミノ・フランセス」と呼...
登録国 スペイン 登録年 1993年 分類 文化遺産 登録基準 (ii) , (iv) , (vi) -
サンタ・マリア・デ・グアダルーペ王立修道院
スペイン、エストレマドゥーラ州カセレス県グアダルーペにある、サンタ・マリア・デ・グアダルーペ王立修道院。 スペインのマリア信仰の中心地とされており、13世紀後半に「グアダルーペの聖母」と呼ばれる黒い木彫りの聖母像が発見された場所に教会が建設され、そのまま像はこの地でまつられている。 その後増改築が行われ、王立修道院となった。
登録国 スペイン 登録年 1993年 分類 文化遺産 登録基準 (iv) , (vi) -
ラ・サンティシマ・トリニダード・デ・パラナとヘスース・デ・タバランゲのイエズス会伝道施設群
パラグアイ南東部、アルゼンチンとの国境付近のパラナ川北岸に位置するイエズス会伝道所。 先住民であるグアラニー人のキリスト教化のため、イエズス会士が17世紀に築き上げたレドゥクシオン(先住民と共に暮らし伝道を図った)の跡。 この地で最古のレドゥクシオンであるサン・コスメ・イ・ダミアンには学校や住居、墓地などが残る。1706年に建てられたラ・サンテ...
登録国 パラグアイ 登録年 1993年 分類 文化遺産 登録基準 (iv)