文化的景観/壁画/交易路・巡礼路 の世界遺産
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端的に言うと文化遺産と自然遺産の境界に位置する遺産と言える。「自然と人間の共同作業」という語に要約される通り自然環境によって制約と影響を受けることで育まれた文化や景観を指すが、大きく以下の3種に大別される。
①意匠された景観:庭園・公園・宗教空間など、人間によって意図的に設計され想像された景観
②有機的に進化する景観:自然環境に対応して形成された景観。さらに「残存する景観」と「継続する景観」に分けられる
③関連する景観:自然がその地の民に大きく影響を与えることにより、宗教的・芸術的・文学的な要素と強く関連した景観
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ピントゥラス川のクエバ・デ・ラス・マノス
アルゼンチン南部のサンタ・クルス州、パタゴニア地方を流れるピントゥラス川流域の渓谷にある洞窟。クエバ・デ・ロス・マノスは「手の洞窟」という意味。 800以上の手形が残っており、ほとんどが左手を型取ったのものである。 これらは古くは1万年以上前から紀元後まで、長期に渡り描かれ続けてきたものであるとみられている。
登録国 アルゼンチン 登録年 1999年 分類 文化遺産 登録基準 (iii) -
カルヴァリア・ゼブジドフスカ:マニエリスム様式の建築と公園の景観複合体と巡礼公園
ポーランド南部、ビエルスコ・ビャウ州のカルヴァリア・ゼブジドフスカはキリスト教巡礼の聖地。 17世紀にニコライ・ゼブジドフスキの手によって開発された一連の景観は、この地をキリスト受難時代のエルサレムに見立てて作り上げられた。ゴルゴダの丘に当たる位置に聖十字礼拝堂を建てるなど、多くの教会や礼拝堂が配置された。 自然と人工建造物との見事に調和しており、い...
登録国 ポーランド 登録年 1999年 分類 文化遺産 登録基準 (ii) , (iv) -
サン・テミリオン地域
フランス、アキテーヌ地方のサン・テミリオン地域はボルドーワインの産地として有名。AOCワイン銘柄「サンテミリオン」で知られる。 この地域は往時の姿そのままに今もワイン醸造が営まれており、変わらないブドウ園の景観がみられる。 地名の由来ともなった聖エミリオンの弟子たちが一枚岩をくりぬいて作ったとされるモノリス教会 等のキリスト教遺産も残っており、...
登録国 フランス 登録年 1999年 分類 文化遺産 登録基準 (iii) , (iv) -
ホルトバージ国立公園-プスタ
ハンガリー東部、ドナウ川と支流ティサ川流域に広がるプスタ(大平原:プッツァとも)。 ホルトバージの町を含んだその一部は「ホルトバージ国立公園」に指定されている。 森林はなく湿地帯で池や沼地、川が多く、大平原の草地が広がっている。街の近くにはハンガリー最古の石橋や歴史的建造物が残り、一帯が文化的景観として認定されている。
登録国 ハンガリー 登録年 1999年 分類 文化遺産 登録基準 (iv) , (v) -
コア渓谷とシエガ・ヴェルデの先史時代のロックアート遺跡群
ポルトガルとスペインにまたがる先史時代の岩絵群。 紀元前2万2000~1万年頃の旧石器時代前期以降のものとみられ、それは1879年に発見されたアルタミラ洞窟壁画とほぼ同時期のものと考えられており、こちらの岩絵群に関しては広範囲に点在している点で特徴的と言える。 1998年にコア渓谷の岩絵遺跡群がまず登録され、2010年には旧石器の彫刻が見られるスペインのシエガ・ヴェ...
登録国 ポルトガル , スペイン 登録年 1998年 分類 文化遺産 登録基準 (i) , (iii) -
イベリア半島の地中海沿岸の岩絵
スペイン、イベリア半島の東部である地中海海岸線の盆地に密集している先史時代末期の岩壁画。 このロック・アートは、ヨーロッパ最大の壁画群で、その数は優に700を超える。 先史時代である紀元前1万年頃から紀元前3,500年頃までに描かれており、人類文化の黎明期における生活様式が、動物や狩り、戦闘など様々なテーマを通じて生き生きと描かれている。
登録国 スペイン 登録年 1998年 分類 文化遺産 登録基準 (iii) -
古典主義の都ヴァイマール
ドイツ中西部に位置する街ヴァイマールで醸成された古典主義に基づく文化遺産。 16世紀よりザクセン・ヴァイマール公国の都として栄えたこの地は、18〜19世紀にかけて数々の文芸作品が生まれ、シラーやゲーテ(ヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテ)を中心に多くの文化人が集ったことで知られている。 カール・アウグストに招聘されたゲーテが住んだ家、シ...
登録国 ドイツ 登録年 1998年 分類 文化遺産 登録基準 (iii) , (vi) -
フランスのサンティアゴ・デ・コンポステーラの巡礼路
スペイン北西部のキリスト教聖地「サンティアゴ・デ・コンポステーラ」へと続く巡礼路の、フランス部分。 4本の道(「トゥールの道」「ル・ピュイの道」「トゥールーズの道」「リモージュの道」)とそれらの沿道の遺産(サン・ガディアン大聖堂、サン・セルナン教会、ポン・デュ・ディアブルなど)が登録範囲である。 また、単独で世界遺産となっているモンサンミッシェルや...
登録国 フランス 登録年 1998年 分類 文化遺産 登録基準 (ii) , (iv) , (vi) -
クロムニェジーシュの庭園と城
チェコ共和国東部のクロムニェジーシュの庭園と城は、オロモウツの司教がこの地に居城を構えたことにより作られたものである。 庭園群(「宮殿の庭園」と「快楽の庭園」)と宮殿は、バロック様式の風格ある邸宅と庭園が一体となって見事な景観を作り出しており、保存状態も良好である。
登録国 チェコ 登録年 1998年 分類 文化遺産 登録基準 (ii) , (iv) -
チレント・ディアノ渓谷国立公園及び遺跡群と修道院
イタリア中南部、ナポリ南東約120kmのチレント・ディアノ渓谷国立公園は入り組んだ海岸線や風光明媚な渓谷を擁する広大な公園である。 また、パエストゥムと、ヴェリアの二つの古代都市遺跡も保全されている。
登録国 イタリア 登録年 1998年 分類 文化遺産 登録基準 (iii) , (iv) -
頤和園、北京の皇帝の庭園
北京城西直門から北西へ約10kmに位置する宮殿跡並びに庭園である。 西太后が暮らしたことでも知られ、「夏の宮殿」とも言われるこの宮殿は、17世紀に建造され、以後200年にも渡り拡大された庭園を持つ遺産である。 元の名は清漪園であったが、第二次アヘン戦争により一度焼失し、1888年に再建して現在の名に改められた。
登録国 中国 登録年 1998年 分類 文化遺産 登録基準 (i) , (ii) , (iii) -
カディーシャ渓谷(聖なる谷)と神のスギの森(ホルシュ・アルツ・エル-ラーブ)
レバノン北部に位置するレバノン山脈のカディーシャ渓谷は、初期キリスト教の修行地の一つである。 近くにはレバノン杉数少ない群生地があり、古代の宗教的建造物の建材として用いられていた他、同国の国旗にも描かれているほど象徴的な木である。
登録国 レバノン 登録年 1998年 分類 文化遺産 登録基準 (iii) , (iv) -
マルボルクのドイツ騎士団の城
ポーランド北部の街マルボルクの、ヴィスワ川河畔に位置するマルボルク城(ドイツ語名:マリエンブルク城)。 ドイツ騎士団(ドイツ騎士修道会)の本拠地として当時はプロイセンだったこの地に建てられた赤レンガ造・ゴシック様式の城郭である。 第ニ次大戦でドイツの爆撃によって破壊されたが、以前の修復に基いて詳細に復元された。
登録国 ポーランド 登録年 1997年 分類 文化遺産 登録基準 (ii) , (iii) , (iv)