トランスバウンダリーサイト/建築/集落 の世界遺産
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「国境を越える遺産」である。
国境とは時代とともに今なお変化するものであるが、それにより構成資産を区切ることは正しい態度であるとは言い難い。
自然遺産に関して言えば、自然環境は国境により線が引けるものではないし、文化遺産に関しても国を跨いで存在する遺産は現に存在している。
国という括りに捉われず純粋に遺産としてのまとまりを示すものがトランスバウンダリーサイトである。
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マラムレシュ地方の木造教会群
ルーマニア北西部マラムレシュ県の、ウクライナと国境付近に位置する8ヶ所の木造のゴシック建築教会群。 ブルサナ村の木造教会をはじめとした異なった時代と地域の、異なった建築技術の代表例が選ばれているが、いずれも釘を一切使わずにマツやナラの一枚板で作られている。 近代化政策がこの地までは達しなかったことで、昔ながらの伝統や生活・文化が残された。
登録国 ルーマニア 登録年 1999年 分類 文化遺産 登録基準 (iv) -
フランドル地方のベギン会修道院
ベルギー北西部のフランドル地方各地に点在する複数の修道院。 ぺギン会とは12世紀にリエージュで始まった半聖半俗の女子共同体であり、これ以降西欧や北欧でも普及することになった。 13世紀にルーヴェンに作られたペギン会の建物はベルギー最大のものであり200人が生活を送っていたとされている。
登録国 ベルギー 登録年 1998年 分類 文化遺産 登録基準 (ii) , (iii) , (iv) -
トラコタルパンの歴史遺跡地帯
メキシコ湾岸のスペイン植民市の河川港であるトラコタルパンは、15世紀中頃にパパロアパン川のほとりに建設された。 保存状態の良い中世初期の都市景観は、スペインコロニアル様式とカリブ地域との伝統を巧みに融合させたものである。鮮やかな建物、効果的に配置された樹木、幅の広い道など特筆すべき点が多い。
登録国 メキシコ 登録年 1998年 分類 文化遺産 登録基準 (ii) , (iv) -
ブリュッセルのグラン・プラス
ベルギーの首都ブリュッセルの旧市街に位置する大広場がグランプラスである。 中世、商工業が発展したこの地では職人や商人の組合であるギルドが出現し発展した。大広場を取り囲む市庁舎(15世紀前半)や幾つものギルド・ハウス(17世紀末)などが残っている。 17世紀末にフランスのルイ14世がブリュッセルを攻めた際に木造だったこの一帯の建物はほぼ全て焼失...
登録国 ベルギー 登録年 1998年 分類 文化遺産 登録基準 (ii) , (iv) -
ホラショヴィツェの歴史的集落
チェコ共和国南部、南ボヘミア州の中心部に位置するホラショヴィツェは、保存状態の良い近世ボヘミアの典型的集落。 13世紀の中頃にボヘミア王がヴィシー・プロト修道院に寄進した土地であり、18~19世紀にかけて南ボヘミアのバロック様式で作られた民家などが農村の景観に溶け込んでいる。 現在では120棟の民家や23の農場の付属建造物が残っている。
登録国 チェコ 登録年 1998年 分類 文化遺産 登録基準 (ii) , (iv) -
コア渓谷とシエガ・ヴェルデの先史時代のロックアート遺跡群
ポルトガルとスペインにまたがる先史時代の岩絵群。 紀元前2万2000~1万年頃の旧石器時代前期以降のものとみられ、それは1879年に発見されたアルタミラ洞窟壁画とほぼ同時期のものと考えられており、こちらの岩絵群に関しては広範囲に点在している点で特徴的と言える。 1998年にコア渓谷の岩絵遺跡群がまず登録され、2010年には旧石器の彫刻が見られるスペインのシエガ・ヴェ...
登録国 ポルトガル , スペイン 登録年 1998年 分類 文化遺産 登録基準 (i) , (iii) -
アルカラ・デ・エナレスの大学と歴史地区
スペインの首都マドリードから東に約30kmほどの地に建設された中世の学園都市。 16世紀の初めに、シスネロス枢機卿が欧州初の大学であるアルカラ・デ・エナレス大学をこの地に作らせた。特に語学教育に優れており、ラテン語、ギリシャ語、ヘブライ語など数カ国語に対応した多言語対訳聖書を世界で初めて刊行するなどその業績は目覚ましかった。 サン・ディアゴ広場に面して立...
登録国 スペイン 登録年 1998年 分類 文化遺産 登録基準 (ii) , (iv) , (vi) -
アクィレイアの遺跡地域とバシリカ総主教聖堂
紀元前181年、イタリア北部ポー平原に建設された植民市アクィレイア。 初期ローマ帝国において繁栄したが、アッティラによって5世紀頃滅ぼされた。後に東方正教会の中央ヨーロッパへの布教地点となり、中欧への伝道に重要な役割を果たした。 バシリカは4世紀の建築物の廃墟の上に11世紀に再建されたもの。バシリカ周辺の発掘では、ローマ時代の遺跡も発見されている。
登録国 イタリア 登録年 1998年 分類 文化遺産 登録基準 (iii) , (iv) , (vi) -
モデナ:大聖堂と市民の塔(トッレ・チヴィカ)、グランデ広場
イタリア北部、モデナに築かれた大聖堂と鐘楼、そしてグランデ広場。 12世紀に85年もの年月をかけて建立されたこの大聖堂は初期ゴシック建築、イタリア・ロマネスク建築の代表的な遺講として知られている。設計者はロンバルディアの建築家ランフランコである。鐘楼にはギルランダと呼ばれる花飾りがあるためギルランディーナと呼ばれる。
登録国 イタリア 登録年 1997年 分類 文化遺産 登録基準 (i) , (ii) , (iii) , (iv) -
ポルトヴェネーレ、チンクエ・テッレと小島群(パルマリア島、ティーノ島、ティネット島)
イタリア半島北西部、リグリア海沿岸部の港や集落。 「ヴィーナスの港」の意味をもつポルトヴェネーレ一帯では、カラフルな住宅の立つ集落や港の絶景などにおいて見事な文化的景観が認められた。 12世紀、高台に造営されたサン・ロレンツォ聖堂がこの美しい景観を見守る様に建っている。
登録国 イタリア 登録年 1997年 分類 文化遺産 登録基準 (ii) , (iv) , (v) -
バルーミニのスー・ヌラージ
地中海で2番目に巨大な島・サルディーニャ島に位置する石造要塞。 前2000年紀頃からこの地にはヌラーゲと呼ばれる石造建築が作られた。円錐状の塔の上部を切り取った独特な形をしており、約7,000例が分布し残っている。
登録国 イタリア 登録年 1997年 分類 文化遺産 登録基準 (i) , (iii) , (iv) -
カゼルタの18世紀の王宮と庭園、ヴァンヴィテッリの水道橋、サン・レウチョの関連遺跡
ナポリ王国のヴェルサイユと称されるガゼルタは、スペイン・ブルボン王朝のカルロス3世によりヴェルサイユとマドリードの王宮に対抗して建設された。 この噴水や庭園に水を引く為に40km離れた山地から水を運んでおり、その水道橋も構成遺産に含まれる。 また、サン・レウチョの絹産業遺跡群も含まれての登録となった。
登録国 イタリア 登録年 1997年 分類 文化遺産 登録基準 (i) , (ii) , (iii) , (iv) -
バルセロナのカタルーニャ音楽堂とサン・パウ病院
スペインの大都市バルセロナにある二つの建造物、「カタルーニャ音楽院」と「サンパウ病院」はどちらもアール・ヌーヴォーの建築家ルイス・ドメネク・イ・モンタネルの名作。 鉄筋建築である音楽堂のファサードは多数のモザイクで飾られ、コンサートホールの内部も過剰な装飾に溢れる。 同じく過剰な装飾を施されたサン・パウ病院はドメネクの死後、1930年に完成した。
登録国 スペイン 登録年 1997年 分類 文化遺産 登録基準 (i) , (ii) , (iv)